妊活の結果を左右する「卵子の質」と「卵子の老化対策(=卵子のグレードアップ)」に注目が集まっています。妊娠希望の女性にアンケートを実施したところ、「卵子」への注目度が明らかになりました。

アンケート結果から見えてきたもの
(ラルーンリサーチ調べ)

Q1.卵子の質は年齢とともに低下することを知っていますか?

n=300

Q2.卵子はなぜ老化するのか知っていますか?

n=169

Q3.卵子が老化すると、どのようなことが起こるか知っていますか?

n=169

Q4.妊活は「卵子の老化対策が重要」であることを知っていますか?

n=300

Q5.卵子の老化対策は、何歳ごろから必要だと思いますか?

n=169

Q6.卵子の老化対策についてあなたの考えに近いものを教えて下さい

n=169

アンケート結果から、妊活世代における「卵子の質」「卵子の老化」への注目度は近年ますます高まっている一方、具体的な対策法が分からない人が多く存在することが判明!そこで今すぐできる「卵子の老化対策」についてまとめてみました。

目 次

  • 卵子の老化は、不妊原因の半数を占めている?
  • そもそも卵子が老化すると、なぜ妊活の支障となってしまうの?
  • 卵子のケアのために、具体的に何をすればいいの?  ┗卵子ケア1. バランスの取れた食事  ┗卵子ケア2. 適度な有酸素運動と筋トレ  ┗卵子ケア3. 妊活全般に効果的な温活  ┗卵子ケア4. 梅から生まれた有効成分
  • 結論

卵子の老化は、不妊原因のどれくらいの割合を占めている?

卵子の老化と聞いて「年齢的に自分はまだ大丈夫」と思う方もいるかもしれません。ここで女性の不妊原因割合をまとめたグラフを見てみましょう。(図1)データ上では、全体の実に半数近くが「原因不明」とされています。

卵子の質の良し悪しは高度不妊治療で採卵を行って始めて判明する場合が多く、高度治療以前の、タイミング法や人工授精に何度もトライし授からないケースでは「原因不明不妊」と分類されてしまうのが現状です。
また受精卵に育つ力がなく細胞分裂が止まってしまう場合も原因不明とされてしまいます。つまりこの「原因不明」にはほぼ全てのケースで、「卵子の質の低下」つまり「卵子の老化」が潜んでいると考えられるのです。不妊原因の半数が卵子の老化と聞くと、一気に身近な問題と感じられますね。不妊検査をして原因が見つからないけれど、なかなか授からないという場合は体内で卵子の老化が進んでいる場合があるので、注意が必要です。
さらに女性の卵子数の変化をまとめたグラフ(図 2)を見ると、 卵子数は 20 代以降顕著に減っていき、その質も下がっていくことが分かります。30 代以降に妊活する場合、スタート時点から卵子の老化対策をしておくことが大切と言えますね。。

不妊原因の半数に関わる「卵子の老化」は、妊活をする女 性にとって看過できない身近な問題と言えます。

そもそも卵子が老化すると、なぜ妊活の支障となってしまうの?

ヒトに限らず、酸素を体内に取り入れて呼吸をしている生物は、常に活性酸素の害に晒されています。体内で過剰に生じた活性酸素は、正常な細胞を傷つけたり、たんぱく質を変性させたりして、老化や生活習慣病を招きます。その対象は、卵子も例外ではありません。
お肌にシワやシミが現れるように、卵子は黒く変性したり(変性卵)、成長が止まったりしてしまうのです。

これは妊活をする上で見逃すことができない事態。生命を生み出す元となる最初の細胞が変性してしまうことで、妊娠の妨げとなってしまうのです。

特に注目したいのが卵子を取り囲む「顆粒膜細胞」。卵子のグレードの指針とも言われるこの細胞は卵子の成長に深く関わる働きをしていますが、この顆粒膜細胞の「数が減る」「変性する」ことが、すなわち卵子の変性につながります。
妊活をする上で、いかにこの顆粒膜細胞を守り正常な卵子を育てるかが重要な課題と言えます。

卵子の老化を引き起こす、顆粒膜細胞の変性を防ぐことが大切です。

卵子のケアのために、具体的に何をすればいいの?

卵子の数は増えることがないため、今すでに体内にある卵子のケアをして一つ一つの卵の質を高めていくことが大切です。バランスの取れた食事、適度な運動習慣、身体を温めるなど、基本的な生活習慣を整えていきましょう。また30 代以降の妊活では、それらと並行して、前述した卵子の顆粒膜細胞にダイレクトに働きかけてケアをするという手法もあります。
卵子のケアに有効な方法を以下に順にご紹介します。

卵子ケア1. バランスの摂れた食事

厚生労働省は令和3 年3 月に「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」を発表しました。この指針をもとに特に卵子ケアの面で重要な食事・栄養摂取のポイントを解説します。

<献立を考える際のポイント>

・ご飯やパン、麺類など食事の中心となる「主食」でエネルギーをしっかりチャージ
・肉や魚、卵、大豆製品などを中心とした「主菜」を組み合わせてたんぱく質を十分に
・ビタミン・ミネラル(鉄分・葉酸)は、野菜をたっぷり使った「副菜」で摂取をこころがけて
・カルシウムは乳製品、緑黄色野菜、豆類、小魚などで補う

<特に摂りたい栄養>

●たんぱく質・・・卵子の材料となるのはたんぱく質です。不足しないように3 食にしっかり取り入れていきましょう。
●鉄分・・・不足すると女性ホルモン(卵胞ホルモン・黄体ホルモン)の合成が滞ったり、卵子細胞の成長や質に影響します。

卵子を育てる必要な栄養素が不足しないようにバランスのよい献立を考えましょう。

卵子ケア2. 適度な有酸素運動と筋トレ

運動と言っても、激しい運動は活性酸素を生むため逆効果。老化をより促進させてしまいます。
そこで卵子ケアのためにおすすめしたいのは「ウォーキング」と「軽い筋トレ」です。デスクワークや乗り物での移動などで座り姿勢が続くと、骨盤内や卵巣の血行が悪くなります。ウォーキングや筋トレで血流を改善させることで、排卵に関わるホルモン分泌にも良い影響を与えます。

<おすすめの運動>

●ウォーキング・・・厚生労働省の運動基準・運動指針では妊娠前の女性に望ましい身体活動量が示されており、おおむね歩行、またはそれ以上の強度の運動を1日に60分行うことが望ましいとされています。※
一番取り入れやすいのが、生活の中でも行う歩行(ウォーキング)です。一度に60 分歩かなくても、細切れに歩いてもOK です。そんなに歩けないという場合も、犬の散歩や掃除、階段を上る、ガーデニングなどでも歩行と同等またはそれ以上の強度と記されています。つまり座りっぱなしを避け、小まめに身体を動かす意識を持ちましょう。
※参考 健康づくりのための身体活動基準2013

●筋トレ・・・1日5~10 分ほど、下半身に負荷のかかる軽い筋トレをすることで、骨盤内の血流を良くし、DHEA 等ホルモンを増加させる効果が期待できます。
一般的に30 歳代を超えると、筋肉量は落ち、筋肉量が落ちるとてきめんに血流が悪くなります。血流が悪くなると、重要な臓器に優先して血液が送られるため、生殖器官は後回しとなり、卵巣に必要な栄養やホルモンが届かなくなります。
簡単なスクワットから、始めてみましょう。

卵子ケア3. 妊活全般に効果的な温活

現代人は家電の発達や交通網の発達により、昔に比べて身体を動かす機会が減り、本来熱を生み出す筋肉量が減少し、冷えやすい状態となっています。
身体が冷えると血行不良や代謝不良を引き起こしますが、女性の場合、卵巣機能の働きが顕著に落ち、卵子の育ちが遅くなる、排卵障害を起こすなどの悪影響が出ます。妊娠のための卵子ケアに取り組む上で、温活に取り組むことは非常に重要となります。

<卵子ケアに有効な温活>

●腹巻や靴下・・・温活の基本となるのは腹巻や靴下で下半身を温めることです。特に冷えやすい足首を靴下の重ね履きやレッグウォーマーで温めることも効果的です。
●カイロ・・・おへその上にカイロを貼ることで、直接的に下腹部、婦人科系を温めることができます。
●半身浴・・・38 ~ 39 度のぬるめのお湯にみぞおちまで浸かり、15 ~ 30 分じっくり入浴することで体の芯まで温まります。
●身体を温める習慣
・常温以下の飲み物、食べ物は摂らない。
・なるべく温かいものを摂る。
・根菜類や乾燥ショウガ等、温活食材を取り入れる。
・スクワットなど、筋トレを習慣にする。

卵子ケア4. 梅から生まれた有効成分

卵子の顆粒膜細胞にダイレクトに働きかけて酸化ストレス(活性酸素)から保護活性化する成分にも、近年注目が集まっています。その成分が、梅から生まれた有効成分「umulin(ウムリン)」。和歌山県立医科大学の 20 年に及ぶ研究により、卵子の顆粒膜細胞を保護活性化する効果が判明したという新成分です。全国のレディースクリニックでも不妊治療中の女性に処方されるなど、臨床現場においてもその効果が認められており、科学的根拠に基づいた卵のケアができる成分として広く利用されています。

umulin(ウムリン)は顆粒膜細胞の保護活性に特化した成分であると言えます。

レディースクリニックにおける臨床試験では難治性不妊症の患者がumulin(ウムリン)とDHEAを服用した場合の妊娠率を調べました。以前から体外受精や顕微授精などの治療を受けてきたが妊娠できなかった難治性の不妊症とされる女性18 人(平均年齢39.2 歳)にumulin を使用したところ受精率の向上が確認されました。
なお、現在も臨床試験は継続中で200 以上の症例データが蓄積されており、高い妊娠率を維持しています。
梅有効成分umulin(ウムリン)の抗酸化作用は、加齢により増大する活性酸素の害(酸化ストレス)から顆粒膜細胞を保護することで、卵子の老化を抑制していると考えられています。ホルモンバランスが整っている場合はDHEA は必須ではないことも研究の末分かってきました。

無添加周期においては顆粒膜細胞の変性、細胞死が見られたが、DHEA& 梅抽出物周期においては顆粒膜細胞がきれいなまま推移しました。

顕著に顆粒膜細胞の変性がなくなっているのが確認できますね。

臨床試験においては、卵の質改善に伴って、受精率・妊娠率の上昇が確認されました。卵子の質が受精卵の成長、受精・妊娠に深く関係することが改めて判明した形となりました。
※ホルモンバランスが整っている場合は、DHEAは必要ありません。

結論

妊娠を目指すなら、やはり「卵子の老化対策(=卵子のグレードアップ)」が重要。卵子を育てる栄養素を食事からきちんと摂り、栄養やホルモンを卵巣に届けるべく運動や温活で血流を改善させることが重要です。また30代以上の場合は、顆粒膜細胞を保護活性化できる有効成分umulin(ウムリン)で効率的に卵子ケアをするという方法もあります。正常な卵子を育て、妊娠を目指していきましょう。